「楽器はやらないけど電気の知識はある」っていう人と若い頃、ピックアップについて言い合いになったことがあるんです。事の発端は飲み会での「フレミングの法則」についての話だったんです。。 僕も電気系の学校を出ているのと電機メーカーに19年勤めていたこともあり、その時はかなりのデッドヒートで、、、って感じでした! まぁ~お互いかなり酔ってましたから。。
で、今回はそのギターのピックアップについてのお話です♪ 弦の揺れをピックアップで電気信号として取り出すわけですから、極めて無機質な話に感じますよね~ 特にエレキをやらない人からすれば、、 じゃぁ~同じピックアップならどんなギターに取り付けても同じ音がするのか?・・・ 答えはノーです!勿論、ボディ形状が違ったとしてもスケールは同じということが前提での話ですよ~ 僕は電気に興味を持ち始めたのとギターを始めたのがほとんど同じ時期だったので、子どもの頃はホントいろんな実験をやりましたよ~ 目の前で電子パーツが火を吹いたり爆発したなんてことは日常茶飯事でした♪
ギターのピックアップ出力は勿論、弦振動から発生する電流がメインですよ~ しかし僕の主観から言わせて頂ければボディの依存度は60%ってとこじゃないでしょうか。。 このことが飲み会での言い合いのきっかけなんです!
100%、ピックアップだけで音が決まるなら、わざわざアルダーだのアッシュだの誰もボディ材なんかにこだわらないでしょ! 勿論、木目や重量の好みも人それぞれですが、、
ピックアップが載っているボディ、つまり土台部分も弦を弾くことにより大きく振動しますよね~ さらに弾いた瞬間以外は常に土台の振動からくる揺れも弦振動に影響してるんです。それにギターのピックアップも一般的なボーカル用ダイナミックマイクと同じく弦を張ってなくてもボディを叩いただけでちゃんと音拾いますから! なんだったらセミアコのfホールに向かって歌ってみてくださいよ♪ 磁石とコイルを使ったパッシブピックアップやダイナミックマイク、身近なところではスピーカー、これらの原理は基本的に同じですから。 ただ先ほどお話したようにエレキは弦振動の依存度が高いわけですからエフェクターを駆使していろんな音が作れるんです。ここからどんどん話を掘り下げてしまうと止まらなくなっちゃいますから今日の本題に入りますネ♪
実は今日のメインはアコースティックギターに付けるマグネットピックアップのお話なんです♪ 上の写真は当サイトでもお馴染みのミニメイトン(写真左)とギブソンLG-1(写真右)、僕はこの2本に全く同じマグネットピックアップを着けてるんです。安いやつネ!Bellcat(ベルキャット)FLY‐4000CRをモディファイして取り付けてありますが基本的に同じものです。ピックアップの購入時期もほぼ同じ。ミニメイトンに付いているPUPは以前スタッフォードのSLG-360Eに着けてたんです。
で、2種類のアコギに取り付けた同じピックアップのサウンドは、、、 全くベツモノって感じなんです。勿論、ミニメイトンのスケールはショートの580mm、LG-1はミディアムの628mmですから弦長による違いもありますよ♪ メイトンに載せてあるPUPをLG-1に載せると、ちゃんとLG-1に載せた音になるんです。つまりマグネットピックアップのサウンドは単純に弦の揺れで発生する電気信号だけではなく、ボディの形状や材質による振動の違いが大きく影響してくるってことなんです。実際、マグネットピックアップをボディに取り付けない状態で弦振動を拾っても情けない音しかしませんもんネ♪ 実は冒頭でお話した「ギターを弾かない電気知識ヤロー」をスタジオに呼んでボディの違いによるピックアップのサウンドの違いを解説したことがあるんです。若かったんですね~ 今じゃゼッタイそんな面倒なことはしませんからネ~ 時間がもったいないですから。。
意外に思われるかもしれませんが、ボディが大きい方のLG-1に着けた方が繊細なサウンドで鳴ってくれるんです。
僕のメイトンは元々プリアンプ搭載のピエゾピックアップが取り付けられていて(標準)繊細なサウンドが出せるので、このBellcatマグネットピックアップにはブーミーサウンドを担当してもらってるんです♪別々のジャックで取り出しているので曲によって切り替えたりミックスしたりして使ってるんです。ホントこのメイトンは現場で重宝してるんです♪
アコギの場合はエレキ以上にボディとの相性でサウンドが変化しますから、「値段が高いのに音がイマイチ、、」なんて~のがあったら試しに他のアコギに載せてみるのもアリだと思いますよ~ ほんとビックリする位に変身することがあるんです♪ 僕が安いアコギ用マグネットピックアップに興味を持ったのはそれからなんです。安いヤツでもボディとの相性でめちゃイイ音で鳴ってくれるんですよ~♪
中学の時はエレキベースしか持っていなかったんですが、高校生になって初めて買ったのがアリアのストラトタイプ、確か当時4万円だったような、、 そのストラトは1年しか使わなくて、その後レスポールタイプ(アリア)に買い換えたんです。当時アリアのウリだった「ディマジオピックアップ搭載」って~のにヤラレまして。。 僕が買ったLPにはディマジオのデュアルサウンドが載ってました。センタータップ配線が出してあってスイッチでアースに落とすだけでシングルに切り替え可能だったんです。勿論、当時高校生の僕は単純にシングルになるならストラトの音になるんだろ~な~って思っていたんです。で、いざ配線してみたら以前使ってたストラトの音とは何か違ったんです。。 それからですね~僕がエレキの電気系統に興味を持ち始めたのは♪ まさにモディファイ・デビューの幕開けでした! 考えてみれば40年近く同じことやってるんですよ~♪
ちなみに僕が高校生の頃はピックアップといえばディマジオが有名で、ダンカンは「何か最近よく聞くメーカーだよな~」って感じでしたネ♪
で、ピックアップの音がボディで大きく変わるお話をしてきましたが、ピックアップのサウンドに大きく影響しないボディ材もあるんですよ~ ん~この言い方だと多少語弊がありますから、違う言い方をするなら「このボディ材はピックアップの個性を引き出す!」って感じでしょうか!? その木材とは「バスウッド」なんです。柔らかくて加工がラクなので、廉価なギターに使われる!って認識の方が多いかもしれませんが、バスウッドといっても色々ありますからネ♪ それにバスウッドを使った高級ギターだってたくさんあるんですよ~
バスウッドといえばやっぱ有名なところでは、Mosrite(モズライト)ですね~ ただ値段(高価、高額、高級?)だけでお話するならモズライトの場合は多少意味が変わってきちゃうんですが。。ご存知のようにモズライトはレスポールのマホガニーバック+メイプルトップ&セットネックの複雑構造ではなくバスウッドボディにディタッチャブルネックと超シンプルな構造♪ 僕も若い頃からモズライト好きなんですが、いくらガレージショップスタートの手作りギターメーカーとしても、ちょっと高過ぎなんじゃないかと、、 特に近年のリイシューは、、 勿論、ビンテージモズに関しては判りますけど。。 写真↑のモズライトはもう15年位愛用してるんですがピックアップは今まで3度載せ換えたんです。モズライトはボディ材としてクセの無いバスウッドが使われているのでピックアップの良し悪しがハッキリ出ちゃうんです。それに一般的なシングルコイルPUPの2倍以上の15kΩ(モデルにもよります)というインピーダンスが作り出すパワフルな音! なので他のギターよりそのモズライトの出す音はピックアップの音!って考えざるを得ないんですよ~ だからみなさんピックアップにものすごくこだわるんですよ! しかし昔からターン数の少ない国産の廉価モデルには非力なサウンドの固体が多かったんです。未だにモズライト(特に国産品)のピックアップにこだわってる人が多いのはピックアップの個体差がハッキリ出るバスウッドのせいかもしれませんネ~
僕も10数年前にUSAのカスタムワイヤリングを高いお金を出して買いましたが、いま冷静に考えるとなんでこんなもんが1個4万円もするんだ?って思います。ただ確かに音はめちゃイイんで、、♪ アコギでいうとSUNRISEもちょっと高過ぎでしょ~
勿論、そのサンライズも一時期アストリアスに着けてましたから音がイイことは判ってますよ~ 3年前にギターと一緒に売却してしまったのでコレ↑は北島三郎、、「♪ハコだけの女」。。
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