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近年のカセットテープは音が悪い!?★現代の安いカセットテープでキレイな音を録音する方法~デジタルと違う柔らかくてパンチのあるサウンド

今日は最近続けてYoutubeチャンネルにUPしているカセットテープについてのお話をしましょう♪ 動画投稿後、意外に若い方からもご相談を受けるんですよ~ ★単に今流行っている「レトロブーム」ということではなく若い方たちもひょっとしたら「デジタルの音」に疲れてきた? いや、生まれた時から既にデジタル音源に囲まれた生活をしているわけですから「デジタル音」というものに疲れるなんてことはないと思います。
ファッションや小物、レトロブームの流れもあって
アナログレコードやカセットテープの音に触れた若い方たちが「なんか柔らかい音」って感じた時、現在のデジタル音との違いを意識したんじゃないかと考えるわけです。それが良い音か悪い音かを決めるのは「人それぞれ」。単純に周波数特性だけについても特に高域成分なんて昔のカセットテープが今のハイレゾ音源に敵うわけはないと思いますよ。「高詳細な音=良い音」という定義ならですけどネ♪
はい、ということで本題のカセットテープについてですが、上の写真は僕が高校生の頃からメインで愛用しているTDKのAD(ノーマルテープ)。愛用しているというか愛用していたですね~ 勿論今でもこれらのカセットで当時録りためた音源を聴いていますが残念ながらTDKのADは売っていない?、、、売っていないよね~確か新品は。アマゾンやオークションでたまに見かけるのは当時のデッドストックですもんね。めちゃ高い値段なので気軽に買うことは出来ません。それにもし未使用の新品だとしても当時のものならテープ素材そのものが経年劣化していると思いますから録音用として真面に使えるとは考え難いですよね!
なので僕は現在、録音用には手軽に安く入手できるTDKならAE、マクセルならURを使っています。正直、両者とも低グレードのテープでして高域特性のクリアさは全くといっていいほど無い感じです。
しかし、それは設定次第である程度なんとか出来るんですよ♪
今日はオーディオにあまり詳しくない方にも理解できるようカセットテープの原理についてザックリですが説明させて頂きますネ~ 写真↑中央下に写っている銀色の5角形っぽいヤツがヘッドと呼ばれるカセットデッキでいう心臓部的な部品です。
このデッキは2ヘッド仕様なので中央のヘッドは録音と再生両方の働きをします。向かって左側の白いやつは消去ヘッドといって録音する前にテープの磁性体を真っさらにする役割をします。そう、例えば既に記録されている音をこのヘッドが消してくれるわけです。録音する時にコイツがちゃんと働いてくれないとカメラでいう多重露出のように同じフィルムに重なって写っちゃいますから心霊写真みたいになっちゃうんです。ビートルズの後ろであいみょんが歌ってるみたいに、、、
カセットデッキには大きく分けてこの2ヘッド仕様のものと3ヘッド仕様の2つのタイプがあります。3ヘッド仕様のデッキはまず ●消去ヘッドがお掃除→●録音ヘッドが録音→●再生ヘッドが記録した音を再生する。こんな感じでそれぞれ担当を分けて仕事をしてくれるんです。そう、3ヘッド仕様のデッキは録音された音をすぐ再生できるんです。つまりテープに録音された音を瞬時チェックできますから、もし録音状態に不具合が発生したとしても録音が終わって巻き戻してからじゃないと確認できない2ヘッドデッキと違って時間の無駄が無いんです。さらに録音ヘッドは録音専用にできているので2ヘッド仕様のデッキより音質もイイわけです。※2ヘッド仕様のデッキは音が悪いということではありませんよ~ あくまでも比較した場合ということです。

これ↑は先日Youtubeでご紹介した愛用の3ヘッドデッキ
90年代のモデルなので既に30年が経過しているわけですが、特に目立った不具合も無く現在もしっかり働いてくれています。
僕はコイツを約15年前に中古で買いました。定期的にメンテナスしているのでポット関係のガリは一切ありません。
ただ「STOP/EJECT」ボタンがたまに挙動不審を起こします。しかしそのことが録音や再生時に悪さをすることはほとんど無いので特に修理はしていません。その不思議な挙動が結構おもしろく時々指をパクッと挟まれます。なんかそれが人間的で気に入っているんです。デッキとして肝心の音質やワウフラッターに不満は一切無いのでノープロブレム!ということで、、、
ちなみにコイツのワウフラッター(音揺れ)のカタログ数値は0.02%、現在世の中に出回っている海外製のカセットデッキの約10分の1、ピアノがメインの楽曲も安心して聴いていられます♪ 最近のラジカセやカセットデッキのワウフラッターは0.25%以上のものがほとんどですからハードなロック系やビートの速いポップス以外の曲では音揺れが気になって疲れちゃうんです。
新品で発生しているワウフラッターはベルト交換では直せないので、必然的にカセットデッキは高性能モデルの中古になっちゃうんです。
このビクターTD‐V707はご覧のように3ヘッド・デュアルキャプスタン、ダイレクトドライブ駆動なのでテープ(生)の状態がよっぽど酷くない限り録音時に不具合が発生することはありませんネ~ 僕がこのデッキを気に入っているのは3ヘッドということもあるんですが、やはりテープに合わせてバイアス(BIAS)調整が出来るトコロですね♪ 3ヘッド仕様のデッキはほとんどのものがバイアス調整できますけどネ。
ここで「バイアス」ってなに?って方のためにカンタンにご説明しましょう! ご存じのようにカセットテープは磁性体が塗られたテープに音声信号を記録(録音)していくわけですが、その磁性体に信号を記録(磁化)させるためには録音ヘッドにある程度の電流をかける必要があるんです。勿論、音源となる音声信号にそんなパワーはありません。そこで録音する際にテープの種類に合わせた電流(バイアス)をかけるわけです。
一口に一般的なノーマルテープ(Normal bias / EQ 120μs)といっても、メーカーや種類によって適正な数値みたいなものがあるんです。なので使うテープに合わせてバイアスを微調整する必要があるんです。ただそんな面倒なことをしなくても一般的なデッキを使えば普通に使えるようになっているのでご安心ください。
しかし、その「普通に」というのが使う人にとって「良い音」と感じるのか「悪い音」と感じるのかはまたベツの話!
ここからが今回の本題!
カセットテープに限らず録音機器の本来の役目は「原音を忠実に記録する」ってことですよね~ ※勿論、人によってそうでないこともあるかもしれません。
カセットテープの代表選手といえばやはりTDKとマクセルですよね~ 写真↑はTDK-AEmaxel-UR 両者ともノーマルポジションテープ。カセットテープ主流時代では一番低いグレードのタイプのやつです。近年は一部のオーディオファン以外カセットテープに音質的なクオリティーを求めることはほとんど無いと思うのでメーカーさんもいろんなタイプのテープを出しても採算とれませんから仕方がない話ですよね♪
この2種類のテープ、正直まったくバイアス無調整で録音すると「良い音」にはならないと思います。ここで言う「良い音」とは「原音に忠実な音」という定義でのお話。
まず一般的なラジカセなんかで録音した場合、間違いなく原音と比べて「曇った音」になると思います。ハイハットのキレが無い音とでも言いましょうか。。。 特にURはクセが強いテープなのでバイアス調整は必須だと思います。
じゃ、どうしてメーカーはそんな曇って録れるような設定にしているのか? 僕が考えるに、万人に合わせた設定なんじゃないんでしょうか? 例えば「キレのある高域」が出るような設定でテープを作った場合、安定性での問題が出て来る可能性が高いと思うんです。キレのある高域成分って歪み成分と「紙一重」みたいなトコロがありますからネ~ なので多少高域のキレを抑えても中域に寄せた安定した音を優先した方が今の時代にカセットテープを必要としている多くのユーザーのニーズには合っているからなんじゃないかと考えるわけです。★実際、バイアス無調整で録音した場合、音飛び等の不具合は発生し難い感じです。ただ、やはり原音とはかけ離れた「こもった音、高域のキレが悪い音」にはなってしまいます。
・・・・これはTD-V707の録音用のコントロール部↑
黄色で囲んだトコロがバイアス調整用のノブです。
厳密にはキャリブレーションといって基準信号を録音し LEVEL(低)とBIAS(高)の2つをメーターで確認しながら基準値に合わせます。しかしそれはあくまでも基準(標準)であり、その設定で先ほどのURテープを使えば伸びのない高域でしか録音できません。そこでBIAS(バイアス)調整ツマミをマイナス側(左方向)に絞ります。このV707のように3ヘッド仕様のデッキであればソース音源を録音しながら再生モニターし原音と同じ音質になるように調整できるんです。個体差もあると思いますが僕のV707ではBIASツマミが9時半の位置でマクセルのURでも原音に近い音で録音できるようになります。
パネルにバイアス調整ツマミが無いカセットデッキはこの調整が出来ない!?  諦めないで~ 実はバイアスつまみが無い場合でもほとんどのデッキがバイアス調整が出来ます。ちょっと一手間かかりますが、デッキ本体のカバーを外して中の基板にあるBIASと書かれた半固定抵抗をドライバーで回せばパネル操作と同じことが出来るんです。デッキによって半固定抵抗の位置や形状が違う思いますからここでは画像の掲載をひかえておきます。m(_ _)m
とにかくBIAS調整用の半固定抵抗を見つけれたらラッキーです。一度チャレンジしてみてください。※調整前にマジックやマーカーペンで印をつけておくことをお忘れなく。いつでも元に戻せるようにネ♪ ※あくまでも個人責任でお願いします。
★高域特性を重視するあまりBIASを下げ過ぎないように注意してください。バイアスをあまり浅くし過ぎるとノイズが発生しやすくなりますから。
ホントはTDKのADを再販してくれると嬉しいんですがネ~♪

▼ヘッド、ピンチローラー&キャプスタンのクリーニングもお忘れなく! カセットデッキでクリアな音を録る基本ですから♪

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