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ギターのネックのお話♪ ~安いギターを買う場合に注意すること【中級ギター講座】

先日お話したギブソンの破産申請の件もですが、近年楽器業界(特に弦楽器)の経営もかなり厳しい状態が続いているようです。ギブソンのような一流ブランドでも数年前から廉価シリーズを連発してますからね~ 僕も2016年のSGスペシャルは買っちゃいましたが。。 そんな廉価版ギター、やっぱ安いだけのことはあって作りが悪いのか?、、 ズバリ、悪いヤツもあります! といっても近年の廉価ギターはある程度のクオリティーはキープしているものが多いので「廉価版=粗悪品」とは一概に言えないんです♪ そんなギター製造で一番コストと手間がかかるのがやっぱ「ネック」だと思うんです。
これ↑は60年代に流行ったアリア1532Tの復刻モデル。勿論、安いギターなんですが、60年代当時も廉価なギターなわけですから今の時代に安いギターとして売られていることは、ある意味忠実なレプリカなのかもしれませんよ~(笑)。この1532T、安物といってもさすがに当時よりは楽器製造技術も進歩していますからかなりのクオリティーのギターですよ! 当時のモノよりかなり重いんですが、、(1.5倍位かな。。)
このギターのコストダウンが一番顕著に判る部分が↓
ネック裏の画像↑。よく見るとネック(メイプル)がヘッド手前で斜めに接合されているのが判ると思います。これは一般的に「スカーフジョイント」といわれる工法で、ネック強度をある程度保つためのジョイント方法と言われていますが、実際は材料を節約するための代表的なコストダウン工法なんです。勿論、強度にも貢献していることは間違いないようですが、廉価ギターのシンボルとしてのイメージが強いので嫌うギタリストが多いようです。正直、僕もあまり好きではないんです♪
確かにこのヘッド角↑のネックを1枚の材料から切り出すのはもったいないことですからネ~ ヘッド側だけ別の材で作れば同じ材で2本のネックが切り出せますから。。一般的にはネックのヘッド付近で斜めにカットし、ひっくり返してジョイントするパターンが多いようです。その場合、確かに目の方向が逆になりますから強度アップにかなり貢献してると思いますね~ このスカーフジョイントはある意味潔い感じがするんですが、「誤魔化すんじゃない!」って言いたくなっちゃうのが↓
ヘッド側で接合してあるパターンのヤツ。この画像はかなり上の方でつないでありますが、一般的にはネックとヘッドの境目部分でジョイントしてあるものが多いですネ♪ このパターンの接合は100%コストダウンのためのジョイントと言っていいんじゃないかと思います。※あくまでも個人的な意見です。
冒頭で少し触れましたが渦中のギブソン、なんだかんだ言っても僕はエライ!と思います。
僕のSGスペシャル2016T↑、紛れも無く廉価版ですが
しっかりマホガニーのワンピースですから。勿論、お約束のヘッド左右の接木処理はありますが、、 傘下ブランドのEpiphone廉価モデルのほとんどはヘッド裏でのジョイントを採用してコストダウンしていますネ♪ まぁ~エピフォンに関してはあのクオリティーでビックリするような価格ですから許せるんですが。。
逆に高価なギターに時々やってある工法↓
ボリュートっていわれるもので、ネックとヘッドの境目裏側にあるピラミッドのような三角の出っ張り。これがあるだけでネック強度はガツンと上がるんです。さらにサウンドにもイイ影響があって、ズシン!とくるパンチのある中低域が出し易くなるんです。僕は80年代のモーリスW80を10年位使ってたんですが、このボリュート加工がしてあったので低域の鳴りは良かったですよ♪
僕がメインで愛用してるモズライト↑のヘッド裏もボリュートっぽい出っ張りがシッカリあります。モズライトが似たようなコピーモデルと違いしっかりした中低域とパカーン!って感じの独特な音が出せるのはピックアップだけの問題じゃなくて、このネックの形状もサウンドに貢献してるのかもしれませんネ♪

ついでに愛用のミニメイトン(EMD-6)↓
このメイトンにはボリュートは無いんですが、ネックに使われている材はアフリカンブラックウッドっていう硬い木で、比重も高く水に沈むんです。買って6年、常に太い弦を張りっぱなしですがネックの反りは全く出て無いんです。ミニギターなんですが低域がガツンと出てくれるので重宝してます。正直、価格が価格だったので当時はかなり悩みましたネ~♪
最後に廉価版ギターのネックについてですが、ギター初心者さんはそんなにギターの作りがどうのこうの、、って気にならないと思うんですが、ある程度弾けれるようになって2本目3本目のギターが欲しくなってくる中級者さんが手を出し易い5万円前後のギターは先ほどのネック裏で接木してあるモノが多いので、買われる場合はよくチェックしてから買うようにしてネ♪ 何度も言いますが強度上の問題は一切無いと思います。ただ、接木のことがが判っていて買う場合は出来るだけ目立たない固体を選ぶコトをおススメします。ギターを手離す理由にこの「接木が気になり出した!」って~のが結構多いようです。仲間から突っ込まれるからなんでしょうね~ エピフォン弾いてる隣で本家ギブソンを振り回されたら誰だって、、、でしょ!?
長年ギターをやってきた僕からのアドバイス! もしギター買う時、数万円程度の差なら高い方、いや本当に欲しい方を買った方があとあと安くつきます! これは間違いない♪
これはあくまでも新品のギターのお話。ビンテージになるとチェックポイントもいろいろありますから一概には言えないんです!


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