1976年発売ソニーCF-9000★リズムマシン搭載ラジカセの修理~スライドスイッチ洗浄

▼1976年発売 SONY CF-9000
このラジカセが発売された時、僕は中学3年でした。
行きつけの家電量販店(栄電社/現:エディオン)で初めて目にした時はホント驚愕しました! お腹に響く迫力あるリズムマシンのサウンドだけでなくその筐体のサイズにも、、
その1年後に発売された20cmスピーカー搭載のCF-1990が発売された時は正直「ソニー、どこへ向かっとるんだ~」って感じでしたね~ 僕は高校入学のお祝いに母親からラジカセを買ってもらえたんですが、当時3機種の選択肢がありました。
勿論、大好きなソニーの中からネ! アイワのステレオラジカセTPRと悩んだんですけど最終的にモノラルタイプに決めました。で、そのソニーのリズムマシン搭載CF-9000かビッグサイズのCF-1990か?それともスタジオ1980シリーズの最新モデルCF-1980Vにするか、、、 結局、1980最新モデルのCF-1980Vを選びました。
ネット越しに覗く5本のスポークみたいなヤツに惹かれちゃったんですよね~! 実はそれだけではなく音が3機種の中で一番クリアだったんです。勿論、1980シリーズの3代目ですから中低域の迫力は言わずもがなって感じでした。
写真↑の1980Vは数年前に電解コンデンサーとトランジスター、ゴムベルト交換、さらにスライドスイッチが分解洗浄された極上美品をオークションで入手したものなんです。落札価格は結構いっちゃいましたが、自分で分解修理する大変さはよく解っているので僕の中ではナットクの金額でした。最近老眼が進んでホント細かい作業が辛くなってきたんですよ~
マークVを愛用していた当時から40数年経った今再度入手、そしてその後手に入れた初代1980(CF-1980/1974年発売)とサウンド比較して改めて1980シリーズはモデルチェンジの度に音がブラッシュアップされてきたことがホントよく判りました。中低域のパンチもですがマークVは初代と比べて中高域の透明感が格段に良くなっているんです。
僕が入手したこの2台は両者ともコンデンサー関係が交換されているので比較条件はある程度そろっていると考えるわけです。二代目のマークⅡの入手も一時期考えたことがあったんですが、マークVを最後に1980シリーズの生産が終了したわけもなんとなく理解できたのでマークⅡをコレクションに加えることはしませんでした。『マークVがCF-1980の完成形』 ラジカセは80年代に突入しステレオタイプが主流になって行きましたからね~。中古市場での1980シリーズ、実はチューナーの周波数ゲージが唯一ホワイトのマークⅡが一番人気あるんですよね~ ちなみに冒頭で登場したCF-9000は「ポリス」のアンディーサマーズも愛用してたらしいです。

★ハイ、前置きが長くなってしまいましたが今日の本題
中古ラジカセ(CF-9000)のスライドスイッチ分解洗浄のお話
写真の基板↑向かって左側に着いているのがソニーCF-9000のメイン電源スイッチ(MIXING-OFF-RADIO)
70年代当時ソニーラジカセのセレクタースイッチはかなり強めのテンションがかかったスプリングで構成されたメカニカルなアクションのスイッチが採用されていました。そのため市場に出回っている中古はセレクターレバーが折れている個体が結構ありますね。メカニカルなのは伝達構造部だけで本丸のスライドスイッチはガッチリ基板にはんだ付けされているんです。
ソニーに限らず中古ラジカセのほとんどが基板上のスライドスイッチの接触不良を起こしていると考えていた方がいいですね。 50年前の家電品ですから電子パーツになんの不具合も起きていないなんていうのは奇跡に近いお話。
と、いうことで入手した時点でスイッチ切り替えが正常動作していたとしても今後も末永く使い続けたいとお考えならスライドスイッチの分解洗浄をおススメします。
新品パーツに交換したくても70年代当時モノのラジカに使われているスライドスイッチはほとんど入手困難なんです。そう同じ仕様のものは生産されていないんです。
多少コツは要りますがハンダ吸い取り線を使ってゆっくりやれば誰でもできると思います。
ハンダが溶け難い場合は新しいハンダを上から溶け込ませると上手くいくと思います。スイッチ自体は熱に強いんですが、あまり長くコテを当て過ぎると基板のエッチングが剥がれてしまう可能性があるので注意してくださいネ。
スライドスイッチを引き抜く際も無理に力を入れないように!
抜き難い場合はハンダがまだとれ切れていない箇所があることが多いです。
スイッチを取り外した後 僕はいつも端子の間に樹脂板を挟んで作業しています。洗浄作業中に端子を曲げたり折ってしまう人もおられるようですので注意してくださいね。
分解洗浄後、電極の方向や位置は分解前と同じにすること。
CF-9000のスライド電極は細長くて弱いので曲げないように注意

下の写真↓はステレオラジカセCF-6500のFM/AM切替用スイッチ
このスイッチ↑のようにスライド電極がシッカリしたタイプは分解洗浄時のトラブルは少ないと思います。

70年代の中古ラジカセで使用中急に音が小さくなったり消えたりする場合はほとんど基板上のスライドスイッチが原因ですね。あと電解コンデンサーの容量ヌケですね。電解コンデンサーの寿命は15年位と云われていますから70年代中古ラジカセの電解コンデンサーはかなり劣化していると考えた方が良いかもしれません。電子パーツをチェックする場合は基板から外して測定しないといけないので、手間は同じなので新品に交換した方が早いですね。ただ部分的に交換しても他のパーツに影響が出ることもあるのでコンデンサーを交換する場合は出来れば全部交換した方が良いかもしれません。※状況によって異なります。
2,028年AM民放放送完全廃局まであとわずか!
数年前からお話していますがFMの受信周波数90MHz上限のラジオも少しだけの調整で現在90MHz以上で補完放送されている局も受信できるようになりますから、昭和のビンテージラジオを今後も活用していきたい方はぜひチャレンジしてみて下さい♪
※調整に関しては個人責任でお願いしますネ。
勿論、僕のCF-6500は調整済なので地元のCBCラジオ(93.7MHz)もしっかり受信できていますよ~


★古いFMラジオをワイドバンド化する!


アナログVUメーターのある生活