昭和の中古ラジカセのベルト交換★テープスピードが遅い!速い!~調整は意外にカンタン!

先日Youtubeでもお話しましたが昭和時代の中古ラジカセの人気が再燃しているようです。僕が思うに恐らく近年海外製ラジカセの新製品が次から次と登場しているからなんじゃないでしょうか? ほとんどの製品が70、80年代の日本製ラジカセのオマージュデザインって感じすが残念ながらルックスだけで中身が伴っていないと思うのは僕だけでしょうか?
ブルートゥースやUSBデーターのMP3再生機能は時勢にそぐったもので素晴らしいと思います。しかしラジカセの本文であるカセットデッキ部分の性能が、、、
以前Youtubeでも解説させて頂きましたが近年の海外製ラジカセは製造コストを抑えるために「直流バイアス録音方式」を採用しています。70年代当時の日本製ラジカセはオーディオ用カセットデッキと同じ「交流バイアス録音方式」でした。
今日はこの録音方式についての説明は割愛させて頂きますが、ぶっちゃけ「直流バイアス方式」で良い音は録音できません。
勿論、昔カセットデッキなどで録音したテープを再生するだけなら、それなりの音で楽しめます。
しかし、お金をかけて作り込まれた昭和の国産ラジカセと比べると「大学生と幼稚園児」、多機能なのに安価な幼稚園ラジカセを手にしたユーザーが改めて昭和ラジカセの性能と魅力にハマっているようです。実は昭和ラジカセ特有の豊かな中低域をかなり前から支持していたのは「若い女性」なんですよね~
芸能人さんでも昭和ラジカセを愛用している女性の方が多いようです。筐体デザインもシッカリしたものが多いですからネ!
そこで今日の本題! オークションなどで中古ラジカセを入手した場合必ずといっていいほど必要になってくるのがゴムベルトの交換。70年代の中古のほとんどはベルトが切れていることが多く「カセットテープ聴けません!」「ジャンクとして」の文字が出品説明で見られると思います。
この説明文で入札を断念される方がほとんどだと思います。しかし中にはカセットが使えない(ベルト切れ)だけで外観は極上の美品なんていうのも結構あるんですよ~
このパターンの商品はほとんど業者さんが落としてるみたいです。修理して高く売れますからね~ 整備済昭和ラジカセの市場相場は5~6万円って感じですね。この金額を高いと感じるか安いと感じるかは人それぞれ! でも高いっていっても当時の定価ぐらいですから個人的には良心的な価格なんじゃないかと僕は思うんですがどうでしょう?
これは先日Youtubeでお話した↑1974年発売のアイワTPR-850ステレオラジカセ。当時の定価が44,800円、僕はコイツを5年前オークションで送料込み約2,000円で手に入れました。
商品詳細はほとんど何も書かれていなくて「ジャンク品」としてだけ記載されていました。
1,000円スタートで誰も手を出さなかったので僕がスターのままの1,000円で落札させて頂きました。(2012年頃落札)
アイワのTPR-850は僕が小学6年生の頃アイワから発売された憧れのラジカセだったんです。当時僕は三菱のモノラルテープレコーダーを使っていました。当時の個体ではありませんが現在も愛用しています。↓三菱「T-530」僕が初めて買ってもらったテレコです。
このテープレコーダーもヤフオクで1,000円でした。
勿論入手した時ベルトが伸び切っていて真面な再生ができない代物でした。しかし外観はほとんどキズがない家電屋さんの展示品レベルでした。コイツを手にした時、一瞬で小学6年生に戻れました! 嬉しかったですね~ で、ベルト交換して無事再生可能になりました。あとはイヤフォンジャックのスピーカー切換接点が接触不良になっていたので接点洗浄剤で直したぐらいですね。
★ここでワンポイントアドバイス!
接触不良やガリがある場合「接点復活剤」を吹きかける方が多いですが、復活剤をかけると一時的に直ることもありますが、ほとんどの場合また症状は再発します。復活剤は揮発せずベトつきが残りそのままにしておくとホコリを呼ぶことになり症状が以前より悪化してしまうことがありますから注意してネ!
まずは「接点洗浄剤」で接点の汚れを落とすことが第一
接点復活剤」はそのあとの導通を補助するために軽く塗布する程度にしてください。導通を促す「リンス」って考えた方がいいですね~ 決して汚れを洗い流す「洗浄剤」ではありません。家電品へ復活剤を多量に吹きかけるとほとんど壊れると考えた方がいいと思います。 ※あくまでも個人的な経験話ですから作業される場合は個人責任でお願いしますネ。
これは↑先ほどお話したアイワTPR-850のベルト交換した時の画像です。メイン基板を持ち上げればプーリー(フライホイール)が現れます。
ラジカセの中には基板を外さなくてもベルト交換できるものもありますが、ほとんどの昭和ラジカセは基板の裏側になっていることが多いです。ベルトプーリーの固定用プレートやアース配線などを外す必要があるものが多いのでこの時点で交換を断念される方が多いみたいです。ベルト交換する際はプーリー溝に付着している古いベルトの破片や汚れをしっかり除去する必要があります。これをシッカリやっておかないとテープ再生時のワウフラッター(音揺れ)が気になるレベルになってしまいます。
あとテープスピード調整も必須。モーター内部の変速トリマーに細いドライバーを突っ込んで作業するわけですが、変速調整は本体を組み上げた後でできるものも結構あるんですよ~
本体背面に小さな穴が確認できるものやコーションシールで見えないように穴が隠されているものもあります。
高価なカセットデッキなどはFG制御のサーボモーターで回転数が自動調整になっているものもあります。
このTPR-850は本体前面にあるヘッドフォン端子のプレートを外せばドライバーを差し込む穴が現れます。↓
昭和の中古ラジカセのベルト交換や調整は分解に手間がかかるモノもたまにありますがコツさえつかめば意外にカンタンにできますから、安いボロのジャンク品で試してみるのもイイかもしれませんね♪ 昭和ラジカセ、ホントいいっすよ~!


■ラジオのお話:
2025年3月10日投稿記事



 


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